自由を求める薬剤師

薬剤師として幸せに働くために、『仕事・お金・私生活』について考えるブログです!

歯科衛生士会での講演 ~後編~

皆さん、どうもです。

講演の準備って、結構時間かかりますよね!しゃべる時間の10倍くらいは資料作りしてます。特に、新しい領域だと、20倍は越えますね(^^;)

 

さて、それでは前回の続きです。

少しでも皆さんのご参考になれば幸いです!

 

④口喝の副作用がある薬

これはかなりたくさんありますよね!一説には700成分という記載も、、、

抗コリン作用が主な要因ですが、それ以外にも脱水や高血糖、高Ca血症などの副作用が起因するケースもあります。転倒・ふらつきと同じく、多剤併用でリスクが急激にあがるという文献もありました。口腔乾燥は、味覚異常、食欲低下、虫歯、歯周病、潰瘍、カンジダ誤嚥性肺炎などの原因になりうるし、純粋にQOLを低下させますよね。改めて考えると注意すべき副作用なのに、意外としっかり見ていないケースが多いと思うのは私だけでしょうか?

『まぁ口が乾くのは薬の効果得るために多少はしょうがない』と考え、『高齢者の口腔乾燥は生理現象だから仕方ない』と結論付けて、服用薬の見直しを怠っていた自分に反省。

 

⑤出血リスクのある薬

これも要注意ですよね。抗血栓薬や抗血小板薬を服用している患者さんは多く見受けられます。2剤以上の併用も決して少なくありません。PCI後は、バイアスピリン+クロピドグレルの併用量を行うことが一般的ですし、抗血栓薬と抗血小板薬を一緒に服用するケースもあります。イコサペント酸やリマプロスト、イフェンプロジルなどの比較的出血リスクが低いものも合わせれば、最高で4種類併用しているケースを見たこともあります。(経過観察して、3種類に減りました。)

『抜歯の際、血液サラサラの薬は基本的に中止!』としてしまうと、それはそれでかなりのリスクですよね。《科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン》によると、抜歯の際にワーファリンを中止したところ、約1%の割合で重篤脳梗塞を発症したということで、PT-INRが3.0未満の適正値範囲内であれば、服用を継続したまま抜歯をすることが推奨されています。ちなみに、測定は抜歯の72時間前以内が望ましいとのこと。

逆に、イコサペント酸などは、休薬のリスクが低いことを考えると、場合によっては中止も検討できるのではないかと考えます。併用されているケースであれば、なおさら。

そう思うと、それぞれの薬の処方意図や併用薬、患者さんの状況、口腔内環境などを鑑みて、継続や中止、減量、代替などを考える必要がありそうです。つまり、出血リスクのある薬を服用している患者さんの抜歯をする際は、医・歯・薬で連携することが重要になりますね。

 

抗生物質の処方について

厚生労働省の通知にもあるように、AMR対策は非常に重要になっております。特に薬剤師の役割は大きいと感じる分野なので、この辺りはしっかりお話してきたいと思います。今では、抜歯後の感染予防の抗菌薬投与は減っており、第三世代のセファロスポリン系よりもペニシリン系の使用が増えていることから、歯科領域でもAMR対策は進んでいるようです。AMR対策で、ペニシリン系はずいぶん見直されてきましたね。

ちなみに、「歯科 ICT による外来抜歯の予防的抗菌薬適正使用支援活動」を参照しました。

 

そんなこんなな内容をもとに、1時間半の講演をしてくる予定です。

いやぁ、薬剤師もきちんと口腔ケアを考えなければいけないなぁと感じたところでございます。明日からの業務に活かしていきたいですね。

 

それでは皆様、最後までお読みいただき、ありがとうございました!