自由を求める薬剤師

薬剤師として幸せに働くために、『仕事・お金・私生活』について考えるブログです!

調剤技術料と薬学管理料

皆さん、こんばんは。

今日は、調剤薬局における仕事とお金のお話をしたいと思います。

 

調剤薬局に勤める皆さん、調剤報酬改定が近づいてきましたね。

「モノからヒトへ」という合言葉の元、患者さんへの対応に対する金銭的評価がついて欲しいところです。

現状の調剤報酬では、

調剤料>>>>薬学管理料

という、フリーマン的には残念な状況になっています。

 【ザックリ説明】

調剤料とは、薬を準備することで発生する料金です。

薬学管理料とは、患者さんへの指導とその記録、医師との連携などで発生する料金です。

 

試しに、一つの例をもとに、収益について考えてみましょう!

 

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患者さんが一枚の処方箋を持ってきました。

薬の内容は

 A薬 朝食後 30日分

 B薬 毎食後 30日分

 C薬 寝る前 30日分

でした。

 

事務スタッフが処方内容を入力しつつ、薬剤師or調剤助手が薬を用意(①)します。

薬剤師は過去の薬歴の記録をもとに、今回の処方内容に不備がないかをチェックします。また、あらかじめ必要な情報を患者さんから得ておく必要があります。

この時点で、問題があれば、医師に問い合わせ(②)をして薬の変更をしてもらうことがあります。ちなみに、これを疑義照会といいます。

 

準備ができて、患者さんへ薬をお渡しします。

患者さんの状況をしっかり把握し、副作用のリスクや薬を飲むことの重要性、日常生活への影響について説明します。

その説明した内容を薬歴というカルテのようなものに記録(③)します。不安なことがあれば、寄り添って話を聞いて、10分以上かかることもあるでしょう。

 

薬を渡したのち、電話で相談がきます。

「新しい薬を飲み始めたら、なんだか便秘になった気がする。」

5分程度かけて話を伺うと、今すぐに病院を受診する必要はなさそうだが、医師へ伝えておいた方がよさそうだと思われる内容と判断。

次の受診時により良い医療を受けてもらうために、医師へ情報提供(④)をします。

情報提供の内容は、患者さんの相談内容や状況の要約、薬剤師としてのアセスメント、必要に応じて処方提案、などです。

 

この報告もあり、便秘のケアをしながら、治療も継続。

効果も十分に表れ、患者さんは満足。

時間と手間はかかりましたが、薬剤師としての知識を活かしつつ、感謝もされる、やりがいのある仕事でした。

 

(おしまい)

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ちょっと長くなりました、この流れで発生するお金について考えてみましょう!

今回はわかりやすく、調剤技術料と薬学管理料だけ説明します。

(以下の点数は、2022年2月現在のものです。1点=10円になります。状況によって点数が多少前後します。)

①の薬を取る作業。これによって発生する点数は、231点になります。

②の医師へ問い合わせをして薬の変更があったときの点数は、30点になります。

③の指導と記録の点数は、43点になります。

④の患者情報を医師へフィードバックしたときの点数は、20点になります。

モノに対する点数が231点に対し、より時間や知識が必要とされるヒトに対する点数は②~④を足しても93点です。

 

患者さんのために働きつつ、金銭的に評価されることが難しいのが分かりますね。

これが逆だったら、フリーマンも働き方に悩まなかったのかもしれません。

 

今回は、調剤技術料と薬学管理料の差をわかりやすく説明するために挙げた一例です。

状況によってこの点数は変わりますので、ご注意ください。

そして、この他にも、薬価、調剤基本料、調剤加算料などのいろんな追加事項があります。詳しい説明は割愛させていただきますね。

 

ということで、今回は自分の仕事の値段についてのお話でした。

最後に、分かる薬剤師には分かってもらえる、あるある話。

薬価差益が出ると経営的に嬉しいけど、情報提供料等加算などの経営効率悪さに残念な気持ちになる。

 

 

今日も最後までお読みいただきありがとうございました!

薬学管理料の部分に注力している皆様、一緒に頑張っていきましょう!!!

そして、患者さんの皆様、是非良い薬剤師を選んでください!!!!!