ジェネリック医薬品 モニラック、ヒルドイド、アルメタ、キンダベート、ナウゼリン
皆さん、こんにちは。
調剤報酬改定の内容が徐々に明らかになり、ジェネリックの算定率と点数の関係は以下のようになりましたね。
20年 22年
減点 40%(▲2点) 50%(▲5点)
加算1 75%(15点) 80%(21点)
加算2 80%(22点) 85%(28点)
加算3 85%(28点) 90%(30点)
大方予想通りの方向性かと思います。
後発医薬品調剤体制加算は、点数を稼ぐためのものではなく、点数を減らされないためのものと考えるべきでしょう。
参考までに、それぞれの算定率での点数の増減を表すとこんな感じになります。
~40% ▲3点
40%~50% ▲5点
50%~75% ±0点
75%~80% ▲15点
80%~85% ▲1点
85%~90% ±0点
90%~ △2点
フリーマンの薬局は、85%~90%に該当するので、現状維持でもマイナスにはなりません。それでも、90%~まであと少しなので、出来ることならそこまで乗せたいところ。
ということで、フリーマンの薬局にて、変更することで算定率が上がる5種類の薬をピックアップしてみました。
良ければ見ていってくださいませ。
①モニラックシロップ
主に小児に使用される下剤ですね。1日量が多いので、処方される患者数が少なくても、算定率に与えるインパクトが大きい薬です。
ジェネリックの候補がいくつかありますが、ポイントは見た目と味。小児に対する薬なので、この辺りがコンプライアンスに大きく影響してきます。
添付文書で見ると、
モニラックシロップ65%‥無色~淡黄色澄明の粘性の液で、においはなく、味は甘い。
ラクツロースシロップ65%「タカタ」‥淡黄色〜黄色の澄明な濃稠の液で、においはなく、味はわずかに甘い
ラクツロースシロップ65%「武田テバ」‥無色〜黄褐色の濃稠な液で、においはなく、味はわずかに甘い。
ということで、若干の違いがあるようです。「タカタ」は以前ピアーレという名称の紫色のシロップでしたね。
これ以外にもジェネリックはありますが、規格が違ったり剤形が変わるので、今回はこの2種類が候補。サンプルの取り寄せは難しそうなので、メーカーに問い合わせたり、知り合いに聞いたりしながら検討していきます。
②ヒルドイド
ヒルドイドには、油性クリーム(いわゆる軟膏)、クリーム、ローション、フォーム(いわゆる泡状スプレー)といった複数の剤形があります。
このヒルドイドの難しいところは、添加物が異なることによる影響が大きいこと。
具体的に、使用感が大きく変わります。特にローション。先発は乳液のような形状ですが、ジェネリックは化粧水のような形状だったりします。フォームに関しては、そもそもジェネリックへ変更するためには疑義が必要という残念さ。先発メーカーの悪意を感じます。
また、先発とジェネリックの比較試験でヒトにおける効果の差を比較する試験をしていないということもあり、添加物の違いで保湿効果に差が出るという報告も数多く存在します。効果に差はないとされる報告もあるため、一概に言い切れませんが、フリーマンが最も重要視していることは、使用感が効果に影響しているというデータです。
そう考えると、とにかくすべてジェネリックへ、という流れには持っていきにくいかなぁと感じる薬剤ですね。もともとジェネリックを使っている方なら良いのですが、、、
ヒルドイドは使用量の分母には入らないので、状況を見ながら考えていきたいと思います。
③アルメタ、キンダベート
いわゆるステロイドですね。ステロイド軟膏の問題は、ジェネリックの名前が分かりづらい上に似ていること。
患者さんとお話するときに、複数のステロイドが存在したときに、名前が似ていたりするので、混乱を起こすのではないかというのが心配点。しかも、そんなに多く扱っているわけではないというのが悩ましいところ。
ステロイド軟膏の一般名って、薬剤師でもパッと出てこないですよね(-_-;)
④ナウゼリン
ナウゼリンOD錠10mgは、口腔内崩壊錠なので、吐き気があってあまり水も飲めないというときには適切な剤形だと考えられます。フリーマンの薬局では、ターミナル患者にも対応しており、錠剤服用が辛くなってきたようなケースでも口腔内崩壊錠は非常に有用です。
しかしながら、ジェネリックには口腔内崩壊錠が存在しないという残念さ。ジェネリックメーカーも儲からないから、新しく口腔内崩壊錠を出すことはないでしょう。
そうなると、積極的にジェネリックは使いにくいですよね。困ったものです。
ということで、今回はフリーマンの薬局のジェネリック採用についてお話してきました。
いずれの薬も、変えたくない要因があったために変えていませんでした。(モニラックは惰性で先発になっていた部分もあるかも、、、)
2点のアップのために強引に変更するのもどうなのかと思う薬剤なので、他の薬もピックアップしながら、慎重に進めていきたいところです。
調剤薬局薬剤師は、サービス業と医療の間で揺れ動いている人も少なくありません。
そんな薬剤師が働きやすいように少しずつ調剤報酬が改訂されているように思われるので、今後も期待していきたいですし、自分たちも頑張っていかねばなりませんね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
薬剤師の皆様、一緒に調剤報酬改定の荒波を超えていきましょう!
薬剤師以外の皆様も、今後ともよろしくお願いします!
それでは、また!!!