ミヤBMが処方された患者さんへの服薬指導
皆さん、こんばんは。
前回書いた、転職に迷ったときの質問10選の後半を書こうと思ったのですが、データが全部消えてしまったというアクシデントがありました( ;∀;)
また同じことを書くのが苦痛なので、一旦別の話題をはさみます!
さて、今回は、ミヤBMが処方された患者さんへの服薬指導について、ちょっと深堀して考えてみましょう!
薬剤師は、薬を出す自動販売機ではありません。(某先輩のインタビューより勝手に引用)
ミヤBMという簡単な薬でも、患者情報をきちんと収集して、知識を最大限に活用することで、様々な指導内容が存在します。
今回は、学生や新人に対しては勉強のために、他職種や患者さんの方には、意外に薬剤師もいろんなことを考えているということをお伝えできたら嬉しいです。
ちなみに、大前提として、服薬指導は医師からの指示を確認したうえで行います。医師から特に指示がなかった場合を仮定しておりますので、そこのところをお間違えないようお願いします。
それでは、以下の5つのケースを考えてみましょう!
①便秘の患者さんへの処方
ミヤBM細粒 2g 1日2回朝夕食後 30日分
腸内環境の乱れによる便秘には整腸剤が有効です。
この場合、数日で改善する可能性は低いので、しっかり飲んでもらう必要があるでしょう。運動や食事などの生活習慣についても合わせて指導することもありますよね。
また、この処方を数ヶ月おきに定期的に服用されたり、受診がなかなか難しいなどの患者さんであれば、必要に応じて市販の整腸剤もオススメしても良いかもしれません。
②1歳児への処方
ミヤBM細粒 0.9g 1日3回毎食後 5日分
乳児に対して整腸剤が処方された場合は、その服用方法をしっかり説明する必要が出てきます。
ごく少量の水で団子を作るパターンや、シロップなどが処方されていればそれに混ぜるということもあります。通常はミルクに混ぜることはNGですが、整腸剤であれば状況に応じて混ぜることも良いかと思います。
うまく飲めなかったときの対応も伝えておきましょう。疾患にもよりますが、基本的にはある程度飲めたのであればOKと考えて良いのではないでしょうか?お母さんが子供へ薬を飲ませる大変さと、その効果を天秤にかけてあげる必要もあるかと思います。
③胃腸炎の患者さんへの処方
ミヤBM細粒 3g 1日3回毎食後 7日分
胃腸炎の患者さんの場合、食事がとれないケースが想定されます。通常、整腸剤は生きたまま腸に届くことが理想のため、pHが高い食後の服用が理想になりますが、状況に応じて食後でなくても良いでしょう。
また、ちょっとした下痢程度であれば、症状に応じて7日分必ず飲みきる必要はないかもしれません。同じような症状が出たときにお守りとして保管しておくことも一つでしょう。逆に、周りで胃腸炎が流行っているような状況であれば、飲み切っておくことを推奨します。
④抗菌薬を服用中の患者さんへの処方
ミヤBM錠 6錠 1日3回毎食後 4日分
整腸剤の中でも、ミヤBMは抗菌薬の一部に耐性があります。医師がその目的をもって処方されたと判断される場合は、その処方意図をしっかり伝えておくべきでしょう。
抗菌薬はAMR(薬剤耐性)の問題もあり、処方された日数をしっかり飲む必要があります。副作用で下痢が起きたとしても、ひどくなければ飲み切る必要があるので、その対策としてミヤBMがあることを伝えましょう。コンプライアンス・アドヒアランス向上のための服薬指導は、薬剤師にとって重要な仕事です。
⑤登校前にお腹が不調になる小学生への処方
ミヤBM錠 3錠 1日3回毎食後 5日分
ストレスによるお腹の不調に、ミヤBMは果たしてどれだけ効果があるでしょうか?お腹の不調に対して、念のために処方された場合、とりあえず全部飲んでおくことも一つですが、あえて頓服のように飲んでもらうのも一つかもしれません。
母親に、「これ飲んだら楽になるよ」と言ってもらってから服用した場合、プラセボ効果でお腹の不調が改善する可能性もあります。このようなケースは、プラセボを上手に使ってみても良いかもしれませんね。
いかがでしたでしょうか?
これは考え方の一部で、この指導が正しいわけではありません。
また、最初にも言いましたが、「医師から特に指示は受けていない」と言われた患者さんを前提に考えております。
患者さんの状況や話の流れから、最善の服薬指導を行う
これって薬剤師の醍醐味の一つですよね。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました!
たかが整腸剤、されど整腸剤。
薬剤師の指導で、整腸剤の効果を最大限に引き出していきたいですね。
皆さんも一緒に、朝まで整腸剤について語り合いましょう!