自由を求める薬剤師

薬剤師として幸せに働くために、『仕事・お金・私生活』について考えるブログです!

歯科衛生士会での講演 ~前編~

皆さん、今日もお仕事楽しんでいますか?

 

今日は、先日依頼を頂いた講演についてのお話です。

只今、資料を作成中なのですが、口腔に関連する薬を調べていたら、新たな気づきが出てきました。今度の発表に向けての知識固めも兼ねて、お伝えしていきます!

口腔ケアに関する薬に関して、いったいどんな薬なのかを薬剤師目線でお伝えしていく、という方針で講演する予定です。お相手の専門分野に関連する薬を、あくまで薬剤師としての視点でお話していきたいですね。

今回のお話は、かなり薬剤師向けの内容です!

それでは早速紹介していきます!

 

①歯肉増殖の副作用がある薬

主なところで、フェニトイン、Ca拮抗薬、シクロスポリンなどがあげられます。

フェニトインはてんかん治療薬で、TDMが推奨される薬ですよね。商品名ではアレビアチンやヒダントール。在宅患者さんで服用中の方がいて、先生に血中濃度の測定をお願いしたことがあります。てんかん治療薬は今やたくさんあって、フェニトインの出番はだいぶ少なくなっている印象ですが、やはり重要な薬ですよね。

Ca拮抗薬はめちゃめちゃよく使われていますけど、歯肉肥厚の割合ってどんなものでしょうか?アダラートCR錠の添付文書では、0.1%未満と記載されています。実際、副作用としてあまり気にしたことはなかったのですが、とある歯科領域の文献では、ニフェジピン製剤で7.7%という驚異的な副作用発生率を発見しました!見る専門職が変わると、副作用としての判定基準も変わるんですね、きっと。ちなみに、ニフェジピンは歯肉への移行率が高いため、Ca拮抗薬の中でも最も発生率が高いとされているようです。

シクロスポリンは、この中では最も代替が難しい薬ですよね。そもそも歯肉増殖以外にも副作用がたくさんあるので、副作用がでること前提にケアをすることが大切かもしれません。他の薬による歯肉増殖においても同じですが、口腔ケアをしっかり行うことで、発症リスクは非常に低くなるようです。

勉強の知識としては、『歯肉増殖で入れ歯が合わなくなって、食欲低下や認知機能低下がでるかも!?』なんていうのは知っていますが、なかなか現場で活かせていない。入れ歯を使っているかどうかを聞き取るのができていないんですね。今のところ、自分自身の経験上では気になったことはありませんでしたが、今後は改めて口の中の状態についても確認していこうと思いした。

 

②BP剤による顎骨壊死

頻度はかなりに低いですが、薬剤師が頭に入れておくべき副作用の一つですよね。作用機序はうっすらあるようですが、確定したものは内容です。ランマークやプラリアでの同様の副作用がみられるようなので、注意が必要ですね。骨粗鬆症の治療で服用している場合は、3年間の服用があるかどうか、危険因子があるかどうか、の2点が、休薬するかどうかの判断基準になるようです。休薬期間は3か月が目安ですね。危険因子として、飲酒、喫煙、糖尿病、ステロイド薬使用、肥満、がん化学療法、口腔内衛生不良などが挙げられます。

がん化学療法を行っている患者さんの場合は、吐き気止めなどでステロイドを使用されるケースもあるし、高Ca血症の是正や疼痛緩和のためにゾメタなどのBP剤が点滴されることがありますよね。そう思うと、顎骨壊死のリスクってすごい高くなりますね。基本的には抜歯の際も中止はしないので、可能であればBP剤の使用前に処置を済ませておくことが望ましく、治療開始したら口腔ケアにより一層取り組んでいく必要がありますね。以前抗がん剤治療中の患者さんで、口腔ケアの指導を何回もされたという方がいらして、そういうことがあったのかなぁと思い出しました。

 

③テトラサイクリン歯

テトラサイクリン系抗菌薬を使用すると、歯に沈着して変色してしまうというものです。しかも、これは基本的に消すことはできません。歯牙形成期に起こるようで、8歳未満の小児には基本的に使用しないようになっています。ちなみに、妊婦・授乳婦に対しても、胎児へ同様の影響が出るために注意が必要となります。服用期間よりも服用総量が重要になるようです。成人になればまず心配はいりません。

ちなみに、テトラサイクリンで使うものは、多くはミノサイクリンで、主にニキビではないでしょうか?皮膚科ではよく処方されますね。がん化学療法中の患者さんの副作用予防で長期投与されている患者さんも見ますね。あとは、マイコプラズマ肺炎とかでしょうか?マクロライドで効果が薄いときは有用ですよね。マイコプラズマはその構造上、ミノサイクリンに対して耐性を獲得することができませんからね。

 

ということで、そんな話をしていく予定です。

文字数が増えたので、また次回に。あぁ、まだまだ資料が完成してないや。

それでは、皆さん、今日もお読みいただきありがとうございました!